日光東照宮
神となった徳川家康公を祀る華麗な神殿
江戸幕府初代将軍となった徳川家康公を祭神として祀る神社。「この地で神(東照大権現)となって、日本の平和を守る」との家康公の遺言により、1617年に二代秀忠公が造営。三代家光公の時代に、現在の絢爛豪華な社殿となりました。55棟の建物のうち8棟が国宝。34棟が国の重要文化財。白と金が基調の極彩色の陽明門や唐門など、随所に江戸初期の巧みな伝統工芸がちりばめられています。拝殿は、色鮮やかに蘇った陽明門と三猿・眠り猫の彫刻は必見です。
石鳥居【重要文化財】
江戸建築最大の石鳥居
1618年に、筑前藩主・黒田長政が奉納。鎌倉・鶴岡八幡宮、京都・八坂神社と合わせて日本三大石鳥居と呼ばれています。
五重塔【重要文化財】
伝統の耐震工法で建立
1650年に若狭の小浜藩主・酒井忠勝が寄進。のちに焼失し、1818年に再建されました。吹き抜けの内部に、耐震用の心柱が吊り下げられています。
表門【重要文化財】
数多くの動物彫刻
東照宮最初の門。八脚門の両側に仏教の守護神・仁王像を安置。仁王門とも呼ばれています。獅子や麒麟、猿、虎などの82もの動物(霊獣)の彫刻が見られます。
神厩舎【重要文化財】
三猿の彫刻
神の使いの馬を留め置く小屋。東照宮境内で唯一の素木造り。馬を守るとされる猿の彫刻があり、「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿が知られています。
三神庫【重要文化財】
絵師・狩野探幽が想像で描いた象
祭事で使う道具類を保管する上神庫・中神庫・下神庫を合わせて三神庫といいます。上神庫の屋根の妻には想像の象の彫刻があります。
御水舎【重要文化財】
飛龍が舞う豪華な水舎
参拝前に手や口を清める場所。花崗岩の水盤は、1618年に佐賀藩主・鍋島勝茂が寄進。屋根の下には飛龍の彫刻があります。
廻転燈籠
逆さ葵紋
オランダから贈られた八家形の燈籠。葵の御紋が逆さになっています。別名・逆紋の廻転燈籠
陽明門【国宝】
東照宮のシンボル的存在
「日が暮れるのも忘れて見惚れる」ほどの美しさから、別名「日暮らしの門」。彫刻や彩色、飾り金具など、江戸初期の工芸技術の粋を集めた華麗な装飾で知られています。2017年3月、約4年にわたる大修理を終えて本来の輝きを取り戻しました。
神興舎【重要文化財】
美しい天女の天井画
春と秋の百物揃千人武者行列で担ぎ出される、3基の神輿が収められています。天井に描かれた「天女奏楽図(てんにょそうがくず)」の天女は、日本随一の美人天女と言われています。
唐門【国宝】
多彩な彫刻が飾る本社の正門
重厚な唐破風(からはふ)屋根を持つ御本社の正門。全体を胡粉(貝殻の顔料)で白く塗り、陽明門より多い611体の細密な彫刻が飾ります。東西に延びる透塀(すきべい)も見事。
御本社【国宝】
東照宮の最も聖なる場所
東照宮の中心建築。拝殿、石の間、本殿で構成された権現造り。本殿に祭神の東照大権現(とうしょうだいごんげん)を祀っています。拝殿は修復が2019年に完成しました。
東廻廊(眠り猫)【国宝】
東照宮で最も有名な彫刻
東廻廊から奥宮へ通じる参道入口の欄間に彫られたもので、幻の名匠・左甚五郎の作と伝わっています。眠っている猫の彫刻がある社寺は極めて稀です。
奥宮【重要文化財】
神秘的な雰囲気が漂う家康公の墓所
祭神・徳川家康公の墓所。拝殿は黒一色の外観で、内部は金箔や極彩色の鳳凰図で飾られています。御宝塔には家康公の神柩が収められています。
本地堂(薬師堂)の鳴龍
巨大な龍ににらまれる
本地堂(薬師堂)の天井に描かれた縦6m×横15mの巨大な龍の絵。34枚の檜板に描かれており、迫力があります。